棚柱とSPFで大型の棚をDIY
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自作で簡単に作ることができる棚柱を使った大型の棚をDIYで作ってみました。購入しようとすれば数万円は軽くするものですが、自分で作れば格安で出来ちゃいます。
市販の棚板を使わず、無垢の一枚板を存分に使った贅沢な木製の棚なのでとても頑丈です。サイズも思いのままなのでピッタリとスペースに収まります。
これなら自分にも出来そうと思ったならDo it yourself!
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目次
簡単に大型の棚を作る

とにかく時間をかけず、簡単に棚を作る方法はいくつかありますが、今回は棚柱と棚板を基本的にネジで止めるだけの簡単な方法を取ることにしました。
ただし、既成品だけでそのまま作るのではなく、特殊加工を施すことで市販の棚板に縛られないで済むようにしています。
棚柱

ホームセンターに出かけると、DIY初心者でも簡単に棚を作れるように、あらかじめ溝が掘られていて、ネジ穴まで開けてある棚柱が販売されているのを見かけます。
普段はなかなかいいお値段がするので、あまり気にかけることもなかったのですが、ある日ホームセンターに出かけると驚くような激安価格で販売されていたのです。
記憶していた通常価格からすると1/4以下というありえないというような値段だったので、思わずまとめて購入してしまいました。
棚の位置を決定する溝は100mm(10cm)間隔で均等に加工されています。
棚板
棚柱も同じコーナーに一緒に置かれていますが、ホームセンターでは多くの種類の棚板も販売されています。木の種類も豊富ですし、板の幅や長さもたくさんの大きさの物があります。
棚柱と同様、棚板も通常価格の半額以下でのセールをしていたのですが、私はそれを買うことはせず、棚板は自分好みの板材を選ぶことにしました。
棚板に無垢のSPF材を使う
日曜大工の定番の木材であるSPF材は、安価で品質の高い木材です。このSPF材を棚板として使うことにしました。
棚板は市販品を購入するほうが簡単ですし、棚柱と同じ種類の木材や色で統一することができます。無垢のSPF材を使うとなれば、ちょっとした問題があります。
SPF材を棚板に使う難点
販売されている棚柱は溝が既に掘られているので手間を圧倒的に省けて便利なのは確かです。しかし、その溝の幅は販売されている棚板に合うような幅に削られているのです。その為、市販品の棚板と棚柱をセットで購入すれば、DIY初心者でも簡単に木製の棚を自作できるわけです。
棚柱だけを購入し、棚板は無垢の板を使う場合、棚柱に掘られている溝幅に合う木材を選ぶことになるのですが、そう都合よく溝幅に収まるとは限りません。
今回購入した棚柱に掘られている溝幅を計測してみると18mm程度でした。これに合う木材をいくつか発見できたものの、板材として使いたいSPF材の1x材(1バイ)の板の厚みは19mmあります。19mm – 18mm = 1mmなので、このたった1mmの差でも、そのままでは溝に入らないのです。
溝幅と板の厚みを合わせる
棚柱の溝幅と使いたい板の厚みを合わせる事ができればこれらの問題は解決します。今回は棚板を溝に合わせて削る方法を取ることにしました。
この削るのはなかなか初心者には敷居が高く、特殊な電動工具が必要なのですが、こういう方法もあるというのを知っておくといいと思います。
棚柱を作る方法もあるが…
市販の棚柱が安かったので今回は購入しましたが、棚柱自体を自分で加工して作ってしまう方法もあります。
本来であれば無垢の一枚板である棚板側を削るのではなく、溝幅を棚板に合わせて加工した方がいいのですが、溝を正確に加工するのは手間なので、市販の棚柱に棚板を合わせる方法を取りました。
棚の寸法
自作する棚の大きさ、寸法を決めていきます。
自作する棚の横幅
部屋の奥にあるスペースに大きな棚を作ることにしました。その横幅は1640mmほどあります。棚の横幅はそれより少し短めの1600mmという区切りのいい数値にして作ることにします。
材料の無駄なく使おうとすれば、1820mmの横幅にしたいところでしたが、設置スペースの関係上1600mmになりました。それでも、1600mmつまりは160cmの横幅を持つ棚なのでかなり大型の棚です。
自作する棚の高さ
棚の高さはできれば1820mmという規格で作りたくもあったのですが、手に入った棚柱の高さは1500mmのものだったので、1500mmの高さになります。作り終わったあとの感じでは、高すぎず低すぎず、なかなか手頃な高さです。
自作する棚の奥行き
使用する木材の大きさを決定する上でも重要なのが棚の奥行きです。かなり悩んだのですが、使い勝手の良い300mm前後の奥行きにしました。
自作する棚の段数
必要な木材の枚数を決定するのが棚の段数です。一段あたり300mmほどの高さが欲しかったので、高さが1500mmなのを考慮すると、棚の段数は6段としました。
段ごとに高さを変える事ももちろんできるのですが、シンプルに全部同じ高さで組むことにしています。棚柱の溝の区切りが100mmなので細かく一段ごとの高さを調整することができません。このあたりが既存の棚柱を使うデメリットでもあります。ただ、200mmや300mmと言った溝の区切りの高さで良いのであれば、完全に自作するよりも楽に作ることができます。
材料
棚柱は購入済みなので、棚板となる材料を決めます。前述の通り、今回はSPFの一枚板を贅沢にも棚板として使用します。
棚板に必要な板の厚み
SPF材は色々な大きさの規格で製材されていますが、棚板として使用するのであれば、1x材(ワンバイ)の板厚19mmがあれば十分です。支柱の立てる間隔を適切に配置することで撓むこともなく、丈夫な棚を作ることができるのです。
ちなみに市販されている棚板は15mm前後の板厚のものが多いです。なかには18mmのものもあり、棚柱に掘られている18mmとピッタリのものも見かけたりもします。
棚の奥行きに合う規格
作る棚の奥行きにピッタリと合う大きさで製材されている木材があればいいですが、1x材や2x材といったSPFの製材はインチを基本単位としているので、ミリメートルではどうしても誤差が出てきます。
300mm程度の奥行きに合う1x材で探してみると、1×12材が280mm前後と適しているのです。
SPF1x12
今回使用するSPF1x12材は、ホームセンターなどで市販されているものの中では、最も幅のある材料となります。板の厚み19mm、幅282mm、長さ1820mmの木材です。
1inchは25.4mmなのですが、1×12材は 1inch x 12inchなのかというとそうではありません。板の厚みは1x材であれば18mm~19mmくらいでほぼ製材されていますが、幅は販売されている店によっても結構違ったりもします。また、製材後の木の収縮で若干縮んでいたりもします。
一般的な規格である1×4材や、それより少し幅の広い1×6材と比べると遥かに板幅のある1×12材なので、単価もかなり上がります。他にも1×8材や1×10材などがあるので、自分に丁度いい奥行きのものを選ぶこともできます。それ以上の板幅となるとSPF材では手に入りづらいので、板継ぎをする必要があります。
使用した材料と費用
今回の大型の棚を作るのに必要な材料を以下に算出しておきます。
商品名 | 厚み(mm) | 幅(mm) | 長さ(mm) | 数量 | 単位 | 単価 | 小計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SPF1x12 | 19 | 282 | 1820 | 5 | 本 | 1200円 | 6000円 |
SPF1x12 | 19 | 282 | 910 | 1 | 本 | 600円 | 600円 |
棚柱 | 25 | 60 | 1500 | 6 | 本 | 250円 | 1500円 |
合計 | 8100円 |
もう1つ小型の棚を作る時に余った1×12材が910mmの長さがあったので、この棚の1段として使っているのも計上しています。
棚柱は特売品だったので、1本250円という激安で手に入れることができました。通常1500mmくらいの長さの棚柱は1本1000円以上はするのではないでしょうか。
作り方
作り方と言っても、木取り図も作る気がしないほど簡単です。ただし、一部では1mmだけ端を削った加工をした棚板を使用します。
一連の作る手順を説明していきますが、作り方よりも大きな棚を作る時の困難さなどを感じてもらえればいいかなと思います。
木取り図
仕入れた材料からどのように必要な材料を切り出すのかを、寸法を入れ分かりやすく示した図を木取り図と言います。
ノコギリを入れる箇所を点線で表し、鋸しろを3mmとして計算しています。
以下、固有のIDを付与したA~Bまでの切り出すパーツについての補足説明です。
- A
- 棚板として5枚を1600mmで切り出して使います。
- B
- 棚板として1枚は910mmを1段として使います。
材料

格安で手に入れた棚柱と加工済みの棚板です。

棚柱は片面3本立てるので両面で6本、棚板も6段分の6枚あります。
設置スペース

棚の設置スペースは横幅1640mmほどあります。ここに横幅1600mmの棚を作ります。

大型の棚を作るのにはかなりの作業スペースが必要です。また、作業台代わりにベッドを使うことにしました。ちなみにこのベッドはDIYで作ったものです。以前作ったひのきスノコに合わせて新しくベッドフレームを自作しました。
加工した棚板

端をトリマーで加工した棚板です。両側の端から12mmほどの幅を1mm削る加工をしています。

棚板全ての両端に加工を施しています。
棚柱

6本の棚柱には100mm(10cm)間隔で溝が開いています。こういった加工はトリマーでも同様にできます。市販品を購入することで手間が大幅に省けます。

棚柱はネジを打ち込みやすいようにネジ穴が開いています。
棚柱を組むために配置

片面あたり3本の棚板を使うのですが、作業台のベッドには2本しか乗りません。。

棚柱を立てる位置に棚柱を配置します。
棚板を棚柱の溝にはめる

棚柱の溝に棚板を1枚目を差し込みます。

棚柱の溝の一番上に棚板を差し込みました。

棚柱は棚板の端にくるようにしました。

棚柱の溝に棚板を2枚目を差し込みます。

棚柱の溝に棚板を3枚目を300mmの間隔が開く溝に差し込みます。

棚柱の溝に棚板を4枚目を300mmの間隔が開く溝に差し込みます。

棚柱の溝に棚板を5枚目を300mmの間隔が開く溝に差し込みます。

棚柱の溝に棚板を6枚目を300mmの間隔が開く溝に差し込みます。

棚柱の溝に棚板を6枚目を差し込みました。

棚柱は片面3本必要ですが、3本目は作業台の大きさが足りないので置けません。

ネジも置いた状態では打てないので、一旦このまま次の作業に移ります。
棚板に棚柱をはめる

棚柱を棚板の上から1本目を差し込みます。

棚柱を棚板の上から2本目を差し込みます。
クランプで固定する

この状態で棚柱がズレないようにクランプで固定します。棚柱と棚板の位置調整はこの段階で決まります。
ネジを打つ

棚柱に開いているネジ穴にネジを刺しネジ打ちをしていきます。木ネジは35mmのステンレスコーススレッドです。

クランプとネジ穴が重なっているところは片方だけ打っておき、クランプを外したらもう1本を打ち直します。

ドリルドライバーやインパクトドライバーで片面全てのネジを止めていきます。電動工具がない場合は+ドライバーで地道に止めていくしか無いです。

棚柱の2本ともネジを止めていきます。
クランプしにくいところでは

クランプがしにくい箇所もあります。作業台と作業スペースが十分に取れない場合は、手足を使います。

ク足で体重をかけて棚柱の溝にきっちりと棚板を差し入れた状態でネジを打ちます。
3本の棚柱にネジを打つ

片面の棚柱2本にネジを打ち終わりました。次は残る1本の棚柱をネジ止めします。

片面最後の3本目の棚柱を差し込みネジを打ちます。棚は作業台から飛び出しているので、クランプで固定したり、手足で動かないようにしながら、安定した状態を確保します。

3本目の棚柱にネジを打ちました。1600mmの横幅がある棚なのでここまで組み上げてみると相当でかいです。
棚を起こす

片面3本の棚柱にネジを打ち終わったら反対側の棚柱が外れないように注意しながら棚を起こします。棚板は棚柱の溝にゆるくはまっているので外れにくいですが、ネジ止めされているわけではないので抜けてしまうと大変です。

今度は先程とは反対側の面のネジを棚を起こした状態で止めていくことになります。ベッドからそのまま起こせば設置スペースに移動しやすいので、こういうやり方を取りました。大きな棚は他で組み上げて運べればいいですが、運べない場合はその場で組むしかありません。

横幅1600mmの棚は設置スペースにピッタリの大きさでした。左右に20mmほどの余裕を持たせています。

棚柱の溝にしっかりと棚板がハマっている状態でもう片面のネジを打ちます。
完成

もう片面の3本の棚柱にネジ打ちが終わりました。1段に付き300mmの高さで6段、高さ1500mm、横幅1600mm、奥行き約300mmの大型の棚が完成です。
工具
何か作業をするとなれば安全面の考慮は最低限しておくべき必須の前提条件となります。
- 安全メガネ
- 作業中何かの破片が飛んできたり、工具を使えば粉塵が発生したりするのはよくあることです。メガネをかけるだけでそういった危険から目を守れます。
- マスク
- 粉塵が発生するような作業ではマスクをすることで肺を守れます。できれば専用のマスクをしたいところですが、普通の花粉用マスクとかでも効果はあります。
- 手袋
- 軍手や革手袋をすることでちょっとした怪我を防ぐ事ができます。ただし、回転系工具を使用する場合、繊維製の軍手は巻き込まれる可能性があるので禁止です。
- 作業着
- 作業中工具に巻き込まれてしまうような危険のある服装はするべきではありません。汚れたりしても大丈夫で、安全面の考慮がされている専用の作業着を用意しましょう。
- ヘアバンドなど
- 髪が工具に巻き込まれてしまうととても危険です。髪を後ろで縛ったり、帽子などを着用するなどして安全対策を行ってください。
罫書き・測定工具
- メジャー(巻尺・コンベックス)
- スケールなどとも呼ばれる直線の長さを測定する工具。直尺(ちょくしゃく)など持っておきたい測定工具の1つ。
- スコヤ、指矩(曲尺)
- 直角を計測、罫書きするのに便利な測定工具には、完全スコヤなどがあり、指矩は差金(さしがね)、曲尺(かねじゃく)とも呼ばれている。
- 罫書き
- 木工専用の罫書きや墨付け道具がなくても、芯が固めの鉛筆で十分です。
切断工具
- ゼットソー
- 大工さんも使っている岡田金属のゼットソーは切れ味抜群のノコギリなのです。替刃も売っているので長く愛用できます。
- ソーガイド
- 岡田金属の開発したソーガイドは、素人でも簡単に木材を直角切断できる補助工具で、感動の切り口に惚れ惚れすること間違いなし。是非とも持っておきたいDIY必須の補助工具と言えます。
- 大型パネルソーで切ってもらう
- 切断道具がない場合は、ホームセンターの大型パネルソーで切断をしてもらうと良いです。ある程度正確に切ってもらえますが、基本的に真っ直ぐな切断のみ請け負っているところが多いです。また、縦斬りは誤差が大きく出やすいです。
作業台
- 馬
- 大工さんが使ってるタイプの作業台には馬がよく使われます。
- 作業台変わりになるもの
- できれば専用の作業台を用意したいところですが、無い場合は大型のテーブルや、ベッドなどを作業台になります。ただし、傷付く可能性もおあります。
穴あけ・締結工具
- ドリルドライバー
- 長年愛用してきたRyobiのCDD-1020はコスパ抜群のドリルドライバーなのでおすすめです。私のは酷使し過ぎてついに壊れてしまいました。。
- インパクトドライバー
- 私はマキタのインパクトドライバーを愛用しています。ネジ締めにはインパクトが断然強力です。インパクト用のドリルビットを用いればドリルとしても活用できるので便利です。
- +ドライバー
- 家庭に一本はある手工具のプラスドライバーは、電動工具を持っていても使う機会は多いのです。
クランプ(圧着工具)
- Lクランプ
- L型クランプは扱いやすいクランプの1つです。ある程度長い方が色々使えて便利ですが価格は長いほど高くなります。
- Cクランプ
- C型クランプは扱いやすいクランプの1つです。ある程度長い方が色々使えて便利ですが価格は長いほど高くなります。
- コーススレッド
- coarse screw thread コース(スクリュー)スレッドとは、粗いネジ山という意味の木ねじです。ネジの種類は多々ありますが、木工では定番のネジです。軸が細めのスリムタイプもあります。
備品(ネジ・ボンドなど)
あとがき
今回は、市販品の棚柱を使ってさくっと作った大型の棚を記事にしてみました。なるべく全体の流れが分かるようにしたつもりです。一部の加工の詳細は省いていますが、もう1つ同様の棚を作っているので、その記事を書いた時に載せようかと思います。
今まで色々な棚をDIYで作ってきたのですが、ほとんど記事にはできていません。。あり合わせの材料で作ったものも多いので、これを紹介しても…と躊躇が入るのです。
本来なら棚柱の加工から全て自作したもので記事にしたいところでしたが、よくお店で見かける市販の棚柱を使って、大型の棚を簡単に作る例もありかなと記事にしてみました。
参考になれば幸いです。
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