トリマー・ルーターの選び方
公開日:
:
最終更新日:2016/06/15
溝きりや面取りといった加工はちょっと凝ったDIYをする上では欠かせません。
ある程度DIYに親しんだ者が最も欲しくなる電動工具がトリマー、そしてルーターだと言われています。
脱DIY初心者を目指し、よりデザインや組み方に拘りたい方の為の、トリマー、ルーターの選び方をご紹介します。
スポンサーリンク
目次
トリマー・ルーターとは

トリマー・ルーターについて、DIY初心者にも分かりやすいように、なるべく詳しく解説していきます。
トリマーってどんな道具?
低トルクで超高速回転し、取り付けたビットの形に削る事ができる工具です。
面取りや溝切り、穴あけなど多種多様な加工が出来るので、高度な装飾や組み方が素人でもできるようになります。
トリマーはルーターに比べるとパワーはありませんが、小型で小回りが効き扱いやすいのが特徴です。
テーブルに天地逆転で取り付け使うルーターテーブルのように、トリマーテーブルを使うこともあります。
ルーターってどんな道具?
高トルクで高速回転し、取り付けたビットの形に削る事ができる工具です。
トリマー同様の加工は勿論、パワーがあるので複雑な面取りや溝切りも一発で加工できたりもします。
ルーターはトリマーに比べると大型で数倍のパワーを持ちますが、トリマーに比べると重く、扱いが難しいです。
テーブルに天地逆転で取り付けて、ルーターテーブルとして使用する方が、より柔軟で高度な加工ができるようになります。
対象者
DIYを始めたばかりの人にとっては、まずちゃんとした形の物を作ることも難しいです。
ですから、面取りといった装飾まで気を配れる方はなかなかいるものではありません。
まして、高度な組み方である大入りやホゾと言った加工を目指すようになるのは、ある程度DIYに慣れ親しんだ後で、興味を持った人が大半でしょう。
市販品と自作の相違点
構造的に物を作ることに慣れると、市販品との見た目の差を気にするようになるのは当然と言えます。
強度的に、予算的にDIYするメリットはありますが、見た目が市販品と比べると見劣りしてしまうのも仕方がありません。
そして、よくよく市販品を観察してみると、素材の差というもの以外に、装飾面の差に気づきます。
ちょっとした安物の市販品であれ、大抵の物はそれなりの装飾加工がされているものです。
そして、市販品の多くはそういう見た目を重視して作られている物が多いです。それはそれが需要があるからそうなっているのです。
誰だって見た目が良いものと悪いものとを比べれば、良い方がいいでしょう。
しかし、見た目を優先するがゆえに、予算のほとんどを見た目の装飾に費やし、強度がなかったり、高価だったりするものもまた多いのです。
市販品との装飾の差を埋めるには
木工において、市販品との差が大きい装飾の差を埋めることができれば、頑丈で安価で、それでいて見た目も良いというパーフェクトな物が作れることになります。
そんな装飾を簡単にできてしまう加工機械がこのトリマー・ルーターと呼ばれるものです。
装飾の種類
木工の装飾は彫刻といったものもありますが、大抵の場合、面取り加工が一般的です。
ぼうず、ぎんなん、という代表的な加工の名前は知らなくても、実際の物で探せばいくらでも見つけることができます。
こういった加工は、取り付けるビットの数だけ種類があるわけでして、それこそものすごい数があります。
特に海外製のビットは多種多様なものが比較的安価に販売されていたりします。
トリマーとルータの違い
トリマー・ルーターという名称は、機械の大きさで大型の物をルーター、小型の物をトリマーと呼んでいるにすぎません。
ルーターはパワーも大きく、回転数も少な目ですが、両手で持つタイプで本格的な加工が可能です。
回転数は可変の物も多く、溝きりと言った強力なパワーが必要な加工に効果を発揮します。
トリマーはパワーはルーターと比べれば小さく、回転数も高めで、片手で持つタイプが多く、比較的軽い加工が可能です。
トルクが小さめで2万回転~3万回転という超高速回転をして加工します。回転数は固定の物が多く、取り回しがしやすいです。
危険性
トリマーとルーターどちらにも共通して言えることは、電動工具の中ではとても回転数が高い機械という事です。
取り付けたビットは非常に鋭い刃物で、それが超高速回転するのですから、非常に危険性が高い機械ということは説明をしなくとも分かりやすいと思います。
この事からも、DIYをはじめたばかりの方がすぐ扱うべきではない工具と言えることもお分かりと思います。
そして、ある程度DIYをされた方が持ってみたい工具であることも理解できると思います。
可能性
ビットに関しては非常に豊富な種類があるのですが、基本となるストレートビットも溝きりなどの加工を可能としますし、溝きりができる事でさらに高度な組み方もできることになります。
溝きり、面取りというのはトリマー・ルーターの活用の仕方から言えば基本的な事項です。
世界中で愛用されているトリマー・ルーターは応用的な様々な加工方法が考えられています。
トリマー・ルーターを使いこなせるようになれば、一歩も二歩も進んだレベルのDIYにステップアップする事ができます。
ただし、ビットはかなりお値段が張り高価な物が多いです。2、3本もビットを買い揃えれば、本体が買えてしまうということもままあります。
ですので、ビットの購入も視野にいれたトリマー・ルーター選びをしなければなりません。
選び方
選び方の基準は色々と考えられます。整理して詳しく見て行きましょう。
用途で選ぶ
週末だけの日曜大工で使うのか、仕事や趣味で毎日のように使うのかでも選ぶ機種は変わってきます。
また、自分の必要とする加工にはトリマーを選ぶべきか、ルーターを選ぶべきかも判断しなければなりません。
電動工具はプロ用とDIY用とで製品を明確に分けているメーカーもあります。大抵の場合、色で区別しています。
製品ごとではなく、DIY用を専門とするメーカーも存在します。
プロ用
基本的にプロ用は耐久性が高く作られています。毎日のように使用され、酷使される事が多いわけですから、それだけパーツも消耗します。
当然のことながらプロ用の方が高性能で、価格も高くなります。
素人でもプロ並の頻度で使用するならば、高くともプロ用を選択した方が無難です。
プロ用の製品に求められるのは、性能のみならず、パーツ等の交換といったメンテナンス性に優れているか?というのも重要な判断材料となります。
DIY用
DIY用は耐久性がそれほど求められているわけではないので、その分パーツ等のコストダウンが図られている事が多いです。
その為、DIY用はプロ用と比べると価格も安く、パワーなどの性能面でも劣る事が多いです。
しかし、使用頻度が週1や月1程しかないような場合、高耐久性のプロ用を揃えた方いいとは限りません。
パワーが大きければ効率の良い作業ができる反面、素人では扱いに苦労する事にもなりかねません。
トリマー
トリマーは細かい作業をするにはルーターよりも向いていると言えますし、大型のルーターよりは素人向きと言えます。
ビットもルーターよりも細い6mmが国内では標準で、海外でも1/4インチ(6.35mm)が使われています。
ビットの種類も日本ではトリマー用が豊富にありますし、面取りや溝切りもできます。
しかし、パワーは500W以下の機種が多く、一度で深い溝を掘ると言った使い方には向きません。
比較的軽度の装飾や溝加工と言った使い方に向いているのです。
ルーター
ルーターは深く広い溝を一気に掘る事ができるほど強力なパワーを備えています。
装飾加工においても、ビットの種類も豊富で、複雑な形状のものも数多くあります。
ルーター用のビットは、海外では1/2インチが標準です。強力なパワーに耐えられるビット径になっているわけです。
本格的な装飾加工をするのであればルーターは欠かせない存在と言えます。
しかし、パワーは3馬力を越すものもある程で、あまり素人向きとは言えません。
機能で選ぶ
多くの有効な機能があれば、安全性が向上したり、加工できる範囲が広がり、より柔軟な創作活動を行う事ができるようになります。
トリマーやルーターに搭載されていると便利な機能等について見て行きましょう。
ソフトスタート機能
ソフトスタートは、その名の通り起動時の回転数が徐々に加速されます。
その為、起動時の反動が少ないので初心者はもとより、安全に加工がしやすくなる機能です。
ただ、この機能は比較的高価な機種にのみついている機能でもあります。
電子制御機能
トリマーの回転数は基本的に固定のものが多いです。しかし、材を加工する場合、節などの硬い箇所で負荷が高ければ回転数が落ちてしまいます。
しかし、この電子制御機能付きの機種はその回転数を一定に抑えるように機能するため、一定の回転数による加工が可能となります。その為、加工面が綺麗に仕上がるプロ必須の機能とも言われています。
ですが、この機能も比較的高級機種にのみ搭載されています。
変速機能
この変速機能を持つトリマーは非常に少ないのですが、大型のルーターでは標準的に付いている機能でもあります。
そして、この回転数を調整できる事で、騒音を抑えたり、焼け付きを抑えたりする事が可能です。
ただし、比較的パワーのあるルーターならともかく、低トルク高回転で加工をするトリマーではほとんどこの機能を搭載する機種は見かけません。
この機能もトリマーでは比較的高級機種にのみ搭載されています。
昇降機能付き固定ベース
ルーターでは標準的にセットで販売される固定ベースで、容易にルーターを昇降させる事ができます。
トリマーでも一部の機種ではセットで販売されていて、人気の商品でもあります。
トリマーやルーター本体とは別のオプション商品で、着脱が可能です。
本体の位置調整機能という意味とは異なりますが、昇降機能が装着できるか否かは、使い勝手に響く重要な要素と言えます。
治具やオプションの充実
トリマーやルーター本体の機能というわけではありませんが、トリマーやルーターは治具やオプションによって使い勝手が劇的に変わります。
各社が専用のオプション製品を販売していますが、別メーカーであっても使えるケースもあります。
多くの有用なオプションは、加工精度や加工可能な技術範囲にも大きく影響するので、機種を選ぶときの重要な要素になります。
LED機能
最近の機種にはLEDを搭載している製品もあります。
手元や加工する箇所が明るいと作業がよりしやすくなるので、ついてなくてもそれほど問題にはなりませんが、あれば便利な機能です。
メーカーで選ぶ
国内外で有名無名を含めると非常にたくさんの電動工具メーカーがあります。
企業によって得意とする製品があったりするので、一概には言えませんが、トリマーとルーターの販売で特に名高いメーカーの一部を取り上げます。
Bosch(ボッシュ)
ドイツのメーカーで世界的な規模で電動工具の販売をしている大企業です。
トリマーとルーターは頑丈で評判もよく、大人気の商品を販売しています。
特にトリマーは他の海外企業の中でも先駆けて開発しています。
オプション商品も豊富で充実しています。
DeWalt(デウォルト)
アメリカ屈指のメーカーで安価で高性能な工具を販売しています。
ルーターは木工愛好家にも定評があり、日本で使われている方も多くいます。
トリマーは今まで販売されていませんでしたが、数年前から高機能のトリマーを販売しはじめ、大人気商品になっています。
オプション商品も豊富で充実しています。
Porter-Cable(ポーターケーブル)
アメリカ屈指のメーカーでブラック&デッカー傘下の会社です。
ポーターケーブルのルーターを愛好している方は国内外を問わずたくさんいらっしゃいます。
パワーのある製品群も充実していて、1.2を争う大人気商品を販売しています。
トリマーは今まで販売されていませんでしたが、数年前からトリマーの販売をし始めました。
ルーターの成功ぶりを考えると、トリマーでは少々伸び悩んでいるようです。
オプション商品も豊富で充実しています。
RYOBI(リョービ)
国内メーカーで、DIY用の製品ラインナップが多く、充実しています。
特にトリマーは日本のDIY愛好家の中で重宝されていて、使い勝手がいいと評判です。
MAKITA(マキタ)
国内屈指のメーカーで、世界進出も旺盛に展開しています。
プロ御用達として愛好家も多く、国内、海外でも高い評価を受けている企業です。
トリマーも信頼のマキタ製を愛用する人も多いです。
値段で選ぶ
価格が高い製品ほど基本的に高性能になりますが、必要以上に高性能な製品を購入しても持て余してしまっては無駄です。
各社とも様々なグレードの製品を出しているので、これだけは欲しいと思う機能を見極めて、自分の使用用途に合った製品を選ぶのも大事な事です。
ただ、トリマーの本体は数千円から1万超くらいで購入でき、ルーターも1万超から2万円超くらいです。
本体自体の価格は高級機種と言ってもそれほど価格差があるわけではなく、むしろビットを一式揃える方が費用がかかるかもしれません。
ちなみに、ビット1本数千円というのも決して珍しくはないので、どうせなら本体は妥協せず高性能機種を選ぶのも手かもしれません。
但し、切れ味はともかく格安のビットセットも売っていたりするので、本体含めて安く済ませる事もできなくはないです。
ポイント
- トリマーやルーターは、素人でもプロ並の装飾や加工を可能とするかもしれない電動工具です。
- 豊富なビット、治具(ジグ)や多様なオプションと併せて使う事で、様々な加工を可能とします。
- 世界中で愛用されているトリマーやルーターは、ホゾ作りや造形トレース、円切りや彫刻などといった高度な使い方に応用されています。
- 初心者から中級者へ、そして上級者を目指すDIY愛好家にとって、欠かすことのできないツール。それがトリマー、ルーターです。
注意点
- 電動工具の中でも、鋭利なビットが超高速回転する危険な類の工具の1つです。
- 加工時には大量の粉塵が出るので、万全の集塵対策をしておかないと大変なことになります。
- DIY初心者には敷居が高い工具の1つなので、少なくてもDIY中級者以上の方が持つべきか悩む工具と思います。
- 本体以外にも、ビットやオプション、ジグ、集塵装置などかなり経費が嵩む工具です。
あとがき
えらく長いトピックになってしまいました。
過去記事から大幅な加筆と修正を加えていたらこの有様です。
使い方次第ではとんでもなく有用なツールになるので、DIYをする方ならばきっと持っておきたい工具の1つでしょう。
書き手の私もついつい熱が入りすぎてしまったようです。
いかがだったでしょうか、トリマーそしてルーター選びの参考になれば幸いです。
ad_pc
関連記事
-
-
電動ドリルドライバーの選び方
-
-
電動ジグソーの選び方
-
-
ゲーム売るならどこがいい?高値買取店を探す
-
-
人気のチャイルドシート・ジュニアシートの選び方・比較
-
-
トリマーの選び方