キワーノの育て方
公開日:
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最終更新日:2016/06/09
緑のカーテン作りに変わり種の珍しいキワーノも育ててみました!苗植えから摘心、収穫、そして美味しい食べ方までの一部始終をたくさんの写真でご紹介します。
とげとげが特徴のキワーノはアフリカ原産のウリ科の植物で、別名キワノ、ツノニガウリ、ツノメロンとも呼ばれています。
果実は1個1000円で売られていたりもする高級な南国のフルーツで、爽やかなゼリー状の果肉はとってもヘルシーなのです!
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キワーノ

緑のカーテン作りにはゴーヤをメインに育ててきましたが、パッションフルーツや夕顔と言ったゴーヤ以外の植物を育てたくなってきていました。
とげとげなキワーノは園芸店に出かけるとここ数年見かけることがありますが、あまりにも珍しいので育てるのは少し躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか。
新しいもの好きな私も気になっていたので、昨年2014年に実は育てていたのです!
キワーノとは

アフリカ原産のキワーノはウリ科の植物で、キワノ(kiwano)とも呼ばれ、日本正式名称はツノニガウリ(Cucumis metuliferus)というそうです。
ニュージーランドやアメリカのカルフォルニア州でも育てられていて英名はツノメロン(Horned melon)とも呼ばれます。
とげとげの果実の見た目のインパクトがなんと言っても特徴的で、一体これはなんなのか!?と思わず驚く形をしています。
キワーノは1年草でゴーヤと同じく緑のカーテンとして育てられるようになってきています。
キワーノの特徴
なんと言ってもその特徴はトゲです!もうとにかくトゲなのです。
キワーノはウリ科ということもあって、葉はきゅうりによく似た感じの葉を付けます。ゴーヤもウリ科ですが少し系統が違うようで、キワーノは葉っぱもトゲトゲしています。
キワーノの実は果物の王様ドリアンをもっと小型で、もっと荒々しくしたような、刺々しい実をつけるので一度見ればきっと忘れることはありません。
そしてなんと蔓もトゲトゲなのです!!要は全てがトゲ尽くし!
キワーノの果実

とげとげしい果実の実の見た目とは裏腹に、味はとっても水々しくさっぱりと爽やかなフルーツです。
フルーツと言っても甘みは殆ど無いので、そのまま食すとなんだこれは?!となってしまうかもしれません。砂糖やはちみつを掛けて食すと、食感もプチプチとしていてかなり美味しく食べれると思います。
収穫後一週間前後(7〜10日)程常温で追熟させることでさらに美味しくいただけます。
果実の大きさは手のひら大で結構大きく、重さは200g以上になります。
収穫量の目安
二つの苗を植えていたのですが、我が家の収穫量からすると1苗で30個以上は収穫できていたと思います。
控えめに見て、20個〜40個くらいが取れる目安なのだと思います。
収穫時期の目安
収穫時期はゴーヤなどと比べるとかなり遅めで、8月下旬〜10月末くらいまで収穫できたと思います。亜熱帯地方や寒冷地では少し収穫時期も前後することでしょう。
収穫後追熟させるので、11月に入っても食べていました。
栄養
栄養はミネラル豊富で、中でもマグネシウム(Mg)が高く、果物ではNo1らしいのです。
どのくらい伸びるのか
2苗を育ててみた感じでは、相当土が適していたのか、ものすごい成長していました。長さで言うと地植えだった事もあったので軽く5メートルから7メートルは伸びていたのではないでしょうか。
同時にゴーヤとパッションフルーツも育てていたのですが、キワーノはとにかく縦横無尽に伸びていく感じでした。縦だけでなく横にも相当広がって成長します。
おそらくですが、プランターでも2メートルから4メートルほどは伸びるのだと思います。
キワーノの土作り
キワーノを育てる為の土作りを行います。全て新しい土を使うのであれば、野菜用の培養土あたりを購入して使います。
キワーノはパッションフルーツと同じ地植えで植えていたので、ほぼ同じです。成長具合から見ても適した土作りだったと思います。
古い土をリサイクルして使う
古い土はそのままだと根っこや肥料のカスが残っているので、土を30cmほど掘り起こし、ふるいをかけて綺麗な土にします。新しい培養土も適度に混ぜて使います。
赤玉土と腐葉土で水はけをよくする
土の下層には赤玉土(大)、腐葉土を入れて、土と混ぜます。こうする事で水はけがよくなり根腐れなどを防止できます。
およその割合は、赤玉2,腐葉土5,土3くらいですが、結構適当でも大丈夫です。
肥料
なるべく有機野菜で育てたいのであれば、鶏糞と油かすを使います。有機栽培にこだわらないのであれば、化成肥料を使って育てていきます。
全体の1/3ほどの割合の土の下層に、肥料をよく混ぜます。
全体の2/3ほどの割合の土の上層には、赤玉土(小)と元の土を混ぜて使います。
およその割合は、土7,赤玉土3くらいですが、結構適当でも大丈夫です。
苗を植える場所を予め決めて置き、その周囲に穴を掘って適切な量の肥料を入れます。こうすることで、肥料焼けを防止できます。
一から土作りする方法
2016.6.9 追記
土づくりを一からするための土壌改良についての記事を新しく書きました。このキワーノを植えている畑を作った時の方法です。今まで育てた野菜づくりの秘訣はここにある!のかもしれません。
キワーノの苗植え

耕した土にキワーノの苗を植えていきます。
苗を配置して穴を掘る

プランターや花壇の土の上に苗を配置します。苗と苗の間はできれば50cm以上は離しておきたいところです。
あらかた植える位置が決まったら、苗のポッド大のサイズで穴を掘ります。その後苗を植える前に、堀った穴にポッドごと苗を入れてみて深さが十分か確認します。
深さが問題なさそうであれば、堀った穴に水を掛けておきます。
苗を優しく植える

苗を手で優しく持ち、人差し指と中指でVの字を作って苗を挟みます。

苗を指で挟んだままポッドをひっくり返します。

ポッドを優しく抜き取ります。

根を痛めないように気を付けながら、堀っておいた穴に苗を植え、周囲の土を集めてかけます。

植え終わったら、たっぷり目に水を撒いておきます。
脇芽を取る

キワーノの苗に脇芽が出ているのでこれを取ります。
脇芽は株元から5節目まで取る

1節、2節と1つづつ数えながら脇芽を摘み取ります。

株元から5節目までの全ての脇芽を取るのです。

脇芽をハサミで切ります。

脇芽を5節目まで取れればOKです。

脇芽を取ったのでかなりスッキリとしました。

あとは追肥を2週間毎にしておきます。
キワーノの摘心

ゴーヤやパッションフルーツもそうですが、キワーノも摘心を行います。子づる孫づるに雌花、果実を多く付けるので、摘心を行うと効果的なのです。
苗丈1メートルで親蔓を摘心する

キワーノの親蔓の苗丈が1メートルほどに成長したら、親蔓を摘心します。摘心することで子づる、孫づるが生えやすくなります。

親蔓の摘心ができました。
人工受粉

何もしなくても自然に虫などが受粉をしてくれることもありますが、確実に受粉させたい場合は人工受粉を行います。
キワーノの雌花

雌花にはちっちゃいながらもトゲトゲの実が付いています。
キワーノの雄花

雄花には実がついてないです。
雄しべの花びらを取って受粉する

人工受粉をするために雄花を摘みます。

小さいので気をつけながら花びらを摘みます。

雄しべを残して花びらだけ綺麗に摘み取れました。

雌花の雌しべに、雄しべをちょんと付けて受粉させます。

雄しべの花びらを取り去ることで、受粉がしやすくなります。
収穫
収穫時期は8月下旬とかなり遅めです。実った果実がうっすら黄色く色づいてきたら収穫時期です。
黄色く色づいた実を収穫する

色づいた果実をハサミで収穫します。果実はトゲトゲがものすごいので、ゴム手袋必須です。

見比べてみるとよく分かりますが、うっすらと黄色く色づいているのが分かります。

たくさんの果実が収穫出来ました。

果実をよくみるとゼリー状の赤い液体が滲みでています。
収穫した実を測量

収穫したキワーノの実を軽量すると290gありました。
1週間ほど追熟させる
収穫した果実は1週間(7〜10日)程追熟させるとより熟れて美味しくなります。ただ味自体は甘味がないので、南国感の強いパッションフルーツと比べるとかなりあっさりサッパリとした印象です。

ゼリー状の果肉と種を一緒に食します。種はメロンによく似ている感じですが、そこそこ歯ごたえがあるもののメロン程硬いわけでもないので食べられます。

ウリ科独特の感じはあるものの味は驚くほど無いので、蜂蜜や砂糖、ヨーグルトやアイスをかけて一緒に食べると食感もプチプチとして美味しくいただけます。
あとがき
この記事を書いているのは2015年ですが、キワーノを育てていたのは2014年のことです。
実際に写真を撮っていてもまだ記事にできていない野菜とかは相当多いのですが、お蔵入りしそうだったキワーノを掘り出してきました。
緑のカーテンとしての茂り具合や、果実の収穫量からみて十分成功と呼べる出来だったと思います。
緑のカーテンとしての評価
苗植えから収穫まで終えてみて、ゴーヤやパッションフルーツと比べると、緑のカーテンとしての評価は個人的にはあまり高くはありません。
葉っぱはきゅうりに近いのでそれほど美しさを感じる事もなく、ある程度成長した後は下の方から枯れていきます。また、トゲトゲ度が半端ではないので、蔓にしても素手ではチクチクします。
ただし、それらを持ってしてもあまりあるほどの果実のインパクトがあります。新しいもの珍しいもの好きにはたまらない事でしょう。そして、果実の食感が思った以上に好きな感じだったので、その点は高評価できます。
日陰効果目的では相当に成長して茂ってくれるので役割は果たせると思いますが、美しさはあまり感じられず、なによりトゲがやっかい。。という評価です。
感想
毎年ゴーヤばかり植えてきたので、少々飽きてきたのもあって、変わり種を毎年何か植えていたりします。キワーノも興味本位で植えてみた1つです。
基本的に食せる実がなる植物を植えたくなるわけですが、キワーノの果実は強烈なので一度は育ててみると面白いと思います。
ただ、今年も植えたいか?と自問自答すると、私の場合はしばらくはいいかな。。と思うのでした。
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